中学入試の国語の出典はその学校が子供達に知ってほしい・理解していてほしい事がわかる大事なメッセージの一つとなります。
この記事では、2023年、2022年、2021年中学入試の国語の出典を神奈川難関男子校でまとめてみました。是非、学校からのメッセージを感じ、今後の参考にしてみてください。
2023年中学入試・国語の小説出典は?
2023年中学入試用の国語で使われた小説を学校別に見てみたいと思います。現在の情報では2校のみだったので、2022度前のものも参考にしてみてください。
神奈川難関男子校 国語の出典
聖光学院中学校の入試に使われた小説
- 「たそがれ大食堂」坂井希久子 小説家
- 「いつもの言葉を哲学する」古田 徹也 哲学者
- 「月曜日の抹茶カフェ」青山 美智子
「月曜日の抹茶カフェ」は、栄東、城北中学校でも使われていました!
カフェにかかわる人たちの営みをみつめる短編集です。
栄光学園中学校の入試に使われた小説
- 「世界一やさしい依存症入門」松本俊彦 精神科医
- 「5番レーン」ウン・ソホル 韓国在住 作家
2022年中学入試・国語の小説出典は?
2022年中学入試用の国語で使われた小説を学校別に見てみたいと思います。
神奈川難関男子校 国語の小説出典
聖光学院中学校の入試に使われた小説
- 「商店街のジャンクション」村木美涼 小説家 2021/1/21発売
- 「妖怪文化入門」小松和彦 日本の文化人類学者、民俗学者 2012/6/22
「商店街のジャンクション」 は、人生に疲れた時、三人の男女が出逢ったのは――チョッキーという犬のかぶりもの。
かわるがわる中に入ると、各々の悩みは……ミステリ賞二賞を受賞した著者が贈る、すべてを包み込む着ぐるみ小説。
突拍子もないこの小説がなんだか聖光学院のイメージになぜかしっくりきます。
「妖怪文化入門」 は、妖怪はなぜ絵巻や物語に描かれ、どのように再生産され続けたのか。豊かな妖怪文化を築いてきた日本人の想像力と精神性を明らかにする、妖怪・怪異研究の第一人者初めての入門書で妖怪について、学問的な視点から、その文化を紹介した本です。
これを使ってくるあたりがまた、面白い学校であることを物語っています。
栄光学園中学の入試に使われた小説
- 「詩的思考のめざめ:心と言葉いにほんとうは起きていること」阿部公彦 英文学者、文芸評論家、東京大学教授 2014/2/24
- 「メイおばちゃんの庭(あかね世界の文学シリーズ)」シンシアライラント 1993/11/1
「詩的思考のめざめ:心と言葉いにほんとうは起きていること」 は、詩というものに対しての考え方などを書いている本です。難しい本なので、賛否両論です。
「メイおばちゃんの庭(あかね世界の文学シリーズ)」 は、小説です。(現在では販売している場所はありませんでした。)
【概要】6歳の少女をひきとって古いトレーラーハウスで育ててくれたやさしい夫婦。その愛情いっぱいのメイおばちゃんが亡くなった悲しみにつぶされそうになっていたある日、オブおじちゃんが言いだした、メイの霊が現れたと。
浅野中学の入試に使われた小説
- 「恩返し「神の悪手」所収」 芹沢央 2021/5/20 小説家
- 「同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか 」鴻上尚史 2020/8/19 劇作家・演出家
- 「科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点」佐倉統 2020/12/17 理学博士
「恩返し「神の悪手」所収」は、 将棋の世界をモチーフとした対局中の心理や人生観などが混然と関わり合う様子を描写した短編集です。その中で、「恩返し」は駒を作る、駒師のお話。師匠に勝つ”恩返し”が一転。その理由や、その先に至る心情を読みます。
鴻上さんの「同調圧力」は、過去にも使われていた学校がある、有名な本です。今の日本人は一度読んでみてほしい名著です。
ライターの息子も中学生でこの本を読み、色々思うところがあったようです。
科学の意味を問い直す「新しい科学論」。近代の科学について書いている本。
サレジオ学院中学の入試に使われた小説
- A試験「言葉の地図を手に入れる「国語をめぐる冒険」所収」 仲島ひとみ 2021/8/24
- A試験「水野瀬高校放送部の四つの声 」青谷真未 2021/7/14
- B試験「戸越銀座でつかまえて」星野博美 2017/1/6
- B試験「金の角持つ子どもたち」藤岡陽子 2021/5/20
近年学校のIT化や、コロナ禍への対応で人気が上昇しているサレジオ学院の出典です。
国語には,未知の世界や存在が溢れています。危険を恐れず踏み出せば,新しい自分,他者,言葉との出会い,そして成長への機会が待ち受けています。学ぶ意味や楽しさだけでなく,国語を使ってどう生きるかを「冒険」をモチーフに語ったのがこちらの本です。
友達、家族、将来など、ままならない思いを声に託した高校生たちの青春群像四篇です。
過去に日経新聞の書評で紹介された「戸越銀座でつかまえて」は、生き方を見失った著者が、故郷の戸越銀座に戻り、老いていく両親や愛猫たち、商店街のお年寄りたちとの交流のなかで生きる力を取り戻そうと葛藤しながら、変わっていく自分を見つめた、6年半の日々の記録です。
「金の角持つ子どもたち」は、まさに中学受験生である自分とかぶる小説。
「サッカーをやめて、塾に通いたい」小6になる俊介は、突然、両親にそう打ち明ける。日本最難関と言われる中学を受験したいのだ、と。難聴の妹・美音の小学校入学を控え、家計も厳しい中、息子の夢を応援することを両親は決意。俊介の塾通いが始まる。だが、彼には誰にも言えない"秘密"があって……。
人は挑むことで自分を変えることができる。未来を切り開こうと奮闘する人々を描く、感動の長編小説です。
慶應義塾普通部の入試に使われた小説
- 「本は読めないものだから心配するな」 菅啓次郎 詩人、翻訳者、比較文学者
- 「教室に並んだ背表紙」 相沢沙呼 2020/12/4 →駒場東邦中学でも使用!
「本は読めないものだから心配するな」 は、2021年9月13日発売の本です。この本を使うということはこの後に問題を作っているということになりますので、恐るべしですね。。。
さて、こちらの本。タイトルから、勇気をもたらしてくれる本です。
本を読む。忘れる。それは当たり前。内容を覚えてなくても、「読めた」と言えなくても、心配しなくていい。よろこびをもって前に進もう。本書は読書をめぐる思索の書であり、古今東西あらゆる本をめぐるブックガイドであり、世界中の土地や文化について学ぶ手引きである。読めば、心のお天気が変わる。また本を読みたくなる。読む人に勇気を与える「読書の実用論」。
「教室に並んだ背表紙」は、
中学校の図書室を舞台にして、少女たちの心模様(級友たちとうまくいかない女子中学生の、疎外感、孤独、不安など)を描いています。
連作短編集。
男子校なのに、女子中学生を題材とする駒場東邦中学校がまた魅力的ですね!
以下Goodレビューです。
連作短編集で、最後に、おおっとうなるような仕掛けもほどこされています。
まず、読んでおもしろい。
1話ごとに、悩み・苦しみに希望が見いだせるように作られています。
それが、もしかすると、人によっては、安直だとか、甘い、とか感じるかもしれません。
でも、私個人としては、こうして最後にほっとさせてもらえると、とても落ち着きます。
わたしのような大人が読んでも、おもしろく、感動するのですが、なにより、ここで登場するような生徒さんで、いま現実に悩んでいるような人が、これを読んで、少しでも心が癒され、明日への希望が持てるといいな、と思うのです。
お勧めします。
逗子開成中学の入試に使われた小説
- 「人間はどういう動物か」 日高敏隆 日本の動物行動学者 理学博士
- 「鼓くらべ「松風の門」所収 」山本周五郎 小説家
「人間はどういう動物か」は、 動物行動学の草分けとして長く第一線で活躍した著者が、あえて動物学的見地から「人間」を問う本です。
身近で多彩な例 (人のおっぱいはどうしてこういう形になったのか。一夫一妻の論理と流行のファッションとの意外な関係とは。少子化のコストベネフィット。戦争の背後にある、遺伝子に組み込まれた攻撃性とは別の「美学」の問題。科学と神はほんとうに対立するのか。)を出しながら、表面的な現象の奥にある人間の行動論理を、やさしく深く考察します。
「鼓くらべ 」 は、打って変わって1973年の本。
幼い頃、剣術の仕合で誤って幼君の右眼を失明させてしまった俊英な家臣がたどる、峻烈な生き様を見事に描いた“武道もの"の典型です。
2021年中学入試・国語の小説出典は?
2021年中学入試用の国語で使われた小説を学校別に見てみたいと思います。
神奈川難関校 国語の小説出典
聖光学院中学校の入試に使われた小説
- [第1回]「月まで三キロ」内「山を刻む」 伊与原新 日本の小説家、推理作家
- [第1回]「面白いとは何か? 面白く生きるには?」森 博嗣 工学博士⇒浦和明の星で同じ著者使用!
- [第2回]「彼女たちは眠りを守る」村山早紀 日本の児童文学作家
- [第2回]「自然と知識 環境をどうとらえるか?」中空萌(『文化人類学の思考法』所収)東大博士(学術)。現在、広島大学大学院講師。
「月まで三キロ」は、小説です。
内容:
「月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ」。死に場所を探してタクシーに乗った男を、運転手は山奥へと誘う。―月まで三キロ。「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」。妻を亡くした男が営む食堂で毎夜定食を頼む女性が、小学生の娘に伝えたかったこと。―エイリアンの食堂。「僕ら火山学者は、できるだけ細かく、山を刻むんです」。姑の誕生日に家を出て、ひとりで山に登った主婦。出会った研究者に触発され、ある決意をする―。―山を刻む。折れそうな心に寄り添う六つの物語。
静かな感動を胸に残す物語です。
「面白いとは何か? 面白く生きるには?」森 博嗣は、工学博士です。
浦和明の星でも同じ著者を引用していました。
「今」を生きることがどんなに尊いのかを感じられる物語です。子供の目からはどう映るのでしょうか?その感想を聞くのも楽しいかもしれません。
たくさんこの著者の新書を読んできたので、どこかで読んだ内容も多いが、しかしぶれることなく一人でものごとを自由に進めることの大切さを説くのはさすがだと思う。
読み終わったとき、大いに説得されている。
キャリアが長いから、多作だからこその説得力にひかれる。
「自然と知識 環境をどうとらえるか?」中空萌(『文化人類学の思考法』所収)は、文化人類学者という学問がわかる本になっています。
私達が気づかずにとらわれている常識を、一つひとつ暴き立ててくれて、当たり前から自由にしてくれる本です。
著者が分かれているため、少し難しい部分もあるため、子供にとっても挑戦するような気持ちで読んでほしい本です。
栄光学園中学の入試に使われた小説
- 「食べるとはどういうことか」藤原辰史 日本の農業史研究者、京都大学人文科学研究所准教授
- 「朔と新」いとうみく 日本の児童文学作家
「食べるとはどういうことか」の著作者、藤原辰史さんは、人間をチューブに見立てたり、台所や畑を含めて食をとらえるなど、「食べる」ということをめぐって斬新な視点を提供しています。
本書では、「食べる」ということをめぐる3つの問いを軸に、中高生とともにその本質に迫っていくという話です。
そのなかで、現代というのは、じつは、食べる場と作物や動物を育てる場(動物を殺す場含む)が切り離された社会であることが浮かび上がってきます。
それでは未来の食はどうなっていくのかということを、藤原さんと中高校生の白熱した議論を臨場感たっぷりに再現する本です。
「朔と新」いとうみく著は、ラサールと浦和明の星でも使われた小説です。
いとうみくさんは、日本の児童文学作家さんです。内容は、このような内容です。
高速バス事故で視力を失った兄 朔が、1年間の寄宿盲学校生活から帰宅したが、家族も、朔のガールフレンドも、誰にも頼りたがらない朔の態度に傷つく。
兄が失明したのは自分のせいだと思っていた弟の新は、事故以来、将来を嘱望されていた陸上を止めていた。ところが、突然朔はブラインドランニングを始めたいから伴走者になってくれと新に頼む。
朔の役に立ちたいが、走りを再開することに新は心の痛みを感じる。不幸な事故に遭いながらも、互いを思いやる気持ちを持とうと葛藤する兄弟の姿を、疾走感豊かに描く。
浅野中学の入試に使われた小説
- 「左手のルロイ」(『小説すばる』2017年8月号所収)香月夕花
- 「子どもの難問 」野矢 茂 日本の哲学者
- 「煙の謎」(日本経済新聞2016年4月24日掲載)道尾秀介 小説家・推理作家・歌手
「子どもの難問」は、子供の質問に、二人の哲学者が答えようと試みる話になります。
四谷大塚発行の「Dream Navi」という中学受検者へ配布される冊子があるのですが、そちらで連載されていたものが本になりました!
まとめ
2023.2022.2021年中学入試・国語の小説出典はを神奈川御三家でまとめました。
他の学校も使っていてる小説に関しては、同じようなことを子供達に伝えたいという先生たちのメッセージなのかと思います。
受験予定のかたは、是非参考にしてみてください。
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