1858年に福沢諭吉により、蘭学の家塾として発足し、1868年に慶應義塾に改称しました。1898年に中学課程5年を普通学科として設置し、1899年に普通学科は慶應義塾普通部として改称されました。1947年の学制改革により、3年の新制中学校となって今に至ります。
四谷大塚が出している80偏差値一覧では偏差値64の難関校になります。
※80偏差値とは、64の偏差値があれば80%合格率があるということです。
教育目標・特色
知育・徳育・体育の面から人格形成を目指し、のびやかで、自らに厳しく生徒自身が成長をしていくことを目標としています。
小学校(慶應義塾幼稚舎)からの内部進学生が78名います。また、高校は慶應義塾高等学校と慶應義塾志木高等学校にわかれますが、慶應義塾湘南藤沢高等部や慶應義塾ニューヨーク学院高等部へも進学することは可能です。実際は慶應義塾高等学校(通称塾校)に行く人が多いようです。
大学は100%慶應義塾大学へ行けるため、学校自ら「受験から離れて学問の本質を探究する」と言い切っています。だからといって受験生たちからおいて行かれるようなわけではなく、授業も厳しく中学生でも留年があるようです。
奨学金制度
小泉信三基金による奨学金と2000年記念教育基金による奨学金があります。
前者は成績・品行優秀でかつ経済的事情で学業の継続が困難な第2学年以上の生徒に授業料の全額または半額給付されるもの。後者は家計急変により経済的事情で学業の継続が困難な者に学費の半額を基準に事情に応じて支出されるものです。
そのほか各種補助金もあるようです。
Wi-Fi完備の新校舎
2015年の1月に新校舎が完成し、2・3年生の教室と理科の実験室が入っており、とても綺麗です。
新校舎ではWi-Fi環境も整っており、英語でタブレットを使った授業などもあります。マタ、コンピューター教室も一人一台のパソコンがあります。
多目的ホールである目路はるかホールには可動式客席(250席)があり講演会やコンサート、生徒の演劇公演などに使われています。
図書室には蔵書が約36000冊あります。
食堂は原則として家庭より持参したお弁当を食べるのですが、食堂の利用も可能です。パンやお弁当、飲み物などの販売があります。
そのほかには体育館、小体育館(柔道場、剣道場)、弓道場、グラウンド、第2グラウンド、テニスコート、農園、部室等、ギャラリーなどがあります。
体育館は古いので空調が整っていないのが少し残念です。
入部原則の部活動
部活動はいずれかに入部するのが原則で、9割が運動部会、2割が文化部会に所属しています。
兼部もOKなので、兼部している生徒も沢山いるようです。
また、勉強が一番であるという位置づけであるため、試合に参加するために授業や学校行事を欠席する場合の公欠制度や補講がないという厳しい一面もあります。
また、縦のつながりが強く、慶應義塾大学の学生や社会人のOBがコーチとして指導する部もあるようです。
受験する人は必ず文化祭(労作展)には足を運びましょう!
普通部の文化祭である労作展は他の中学校の文化祭に見られるものとは一味違います。
芸術科目でも、学術研究でもなんでもよいのですが、教科の枠に収まらない一つの作品を作り上げることが目標です。
例えばレポート用紙100枚にも及ぶ理科や社会の研究だったり、国語の小説を書く人もいますし、美術作品を作る人もいます。
はたまた、演劇の公演や、スライド展示、ポスター展示、化石鉱物・天体写真の展示などもあります。
英語でのプレゼンテーション大会や将棋体験が出来たりと、普通の文化祭ぽいところもあります。
また、各種体育館やグラウンドでは各部活の演武会や試合などが開催されている部もあります。
今年は弓術部や野球部は親善試合をしていました。今が旬のラグビー部は体験ラグビー教室を開催していますので、楽しめそうですね。
受験を考えている人は、必ずこの労作展に足を運んでください。
面接で必ずこの労作展がどうだったかという話がされるそうです。
この労作展を通して、ただ、面白かった、凄かった、というのではなく、
この作品や文化祭を通して自分がどういったことをしたいか、どういったことを普通部に入って学べるかなど、具体的に深く考えてみてください。
そして、自分がどう感じたか、きちんとまとめて話せるようにしておいてくださいね。
慶應普通部の総評
高校と大学のイメージからわりと自由なイメージを持っていましたが、労作展に訪問して、普通部は真面目な印象を持ちました。また、実際も真面目な生徒が多いようです。
2016年時点では携帯電話の所持・利用は禁止されていたようなので、現在はどうなのかは気になるところです。
受験勉強にはとらわれない授業が多く、深くその学問に腰を据えて学べるというところが特徴的で良い所です。
ただ、大学への進学時にどの学部で学びたいか自分で選ぶためには、日ごろからの学習はかかせません。学内の順位で進学する学部が決まるので、高校だけではなく中学の段階から準備をしたほうがよいと言えます。
特に医学志望者は内部進学は少ないため勉強をしっかりやらないとついていけないそうです。
他の視点から見ると、家族や親族が慶應出身者が多く、お金持ちの人も勿論沢山いるので、そこはイメージ通りかもしれません。
また、慶應は、「慶應内部格差」があるといわれています。
これは入学時からの入り方に対する格差で幼稚舎、中学、高校、大学と入ったタイミングで出来るものです。これはウワサではなく、実際通っていた人が感じている事実になります。
特に男子同士、女子同士には内部格差が出来上がるため、大学から入学すると「アウェイ」を感じる人も少なくありません。
こういったことも頭に入れながらどのタイミングで受験するかも考えるきっかけになるかもしれません。