中学入試の国語では、様々な書籍が使われてきました。ここ数年に私立中学の入試で出題された作品を読んでみると傾向や対策が見えてくることがあります。この記事では、その中でも、数冊ピックアップしてご紹介したいと思います。
目次
中学入試の国語で出題された本は?
前の記事にて中学入試の国語で出題された本を、難関男子校・難関女子高・神奈川御三家にわけて紹介した記事を以前記載していますので、
これらの学校を受験されるかたは是非、この記事最後のリンクにて確認してみてください!
この記事では、それ以外に出題された本について物語文と説明文にわけてご紹介します。
中学入試の国語:物語文
ストーリー性がある物語文では同じ世代の主人公の生活や行動から、現実世界への課題を考えさせられるものが引用される傾向にあります。
様々な場面でどのような行動を主人公がとるのか、心の動きを感じながら読み進めていくとよいでしょう。
- 「雲を紡ぐ」 伊吹有喜 →渋谷教育学園渋谷中引用 他
- 「たまねぎとはちみつ」 瀧羽麻子 →学習院女子中等科引用 他
- 「あと少し、もう少し」 瀬尾まいこ →昭和学院秀英中引用 他
- 「いいたいことがあります!」 魚住直子 →近畿大学付属中引用 他
- 「雲を紡ぐ」 伊吹有喜
- 学校にいけなくなった女子高生が祖父母が手掛けた羊毛に導かれて父の故郷へ。家族の行き違いを乗り越えて、傷を癒していくお話。
レビューでも大人気のこちらの本。
家族の様々な視点からの物語は子供達の心に響くものがあってほしいです。
登場人物、それぞれの視点で、ストーリーがくまれていて、普段、自分がいかに、一方向の視点で見ているか、はっ!とする箇所がたくさんありました。
いろんな年代の方に、読んで欲しい本です。
引き込まれるように、あっという間によみきってしまいました。
絶対、後悔させません。
最高です!
- 「たまねぎとはちみつ」 瀧羽麻子
- 引っ込み思案で自信がない小学校5年生の女の子。下校中になんでも修理してくれるおじさんと知り合い、少しずつ自分の世界を広げていくというお話。
親でも先生でもない大人の存在は割と重要で。信頼できる大人との出会いや繋がりは子どもを別の形で支えるものにもなる。大人の役割ってそれじゃないかと。信頼関係。懐の深さ。そういう大人でいないと。私は私の人生を遊びながらめいっぱい楽しんでいこうとおもう。
- 「あと少し、もう少し」 瀬尾まいこ
- 男子駅伝大会で、県大会の常連校だった中学校で、体育教師の顧問が異動に。寄せ集めのメンバー6人がぶつかりながらも県大会を目指すお話。
本屋大賞受賞作品です。
中学生の主人公であることから、中学生が読んでも面白いかもしれません。
駅伝を題材にした小説は、いろいろあってどれも面白い。
中学生たちが主人公のこの本も、なかなか読ませます。
6人それぞれを個性豊かに書き分けられているので、読む人によってお気に入りの子が見つかるのではないでしょうか。ラストシーンも美しい。
陸上をやっている息子に、と思って購入。
私が先に読みました。
息子の中学の駅伝の光景とダブることが多く、
涙腺崩壊(T-T)
陸上、特に長距離をやっている親子さんには読んで欲しい一冊です!
- 「いいたいことがあります!」
- 中学受験をひかえた小学6年生の陽菜子。なのに、母親は彼女に家事の手伝いもさせる。兄は、全くしないのに。それを言っても母親は、兄は部活もあって大変だからと説明する。陽菜子はもちろん納得しない。そこで、塾をさぼった小学校6年生の少女の前に不思議な女の子が現れる。
反抗期に差し掛かる子供と親の気持ちを暖かく描いた作品。
4年生の母です。
最近、子供に口うるさくしていて、この本を読んで、納得できるところ、反省すべきところに気づかされました。
(気付かせてくれてありがとうございます。)
話の内容的にも良作です。
(話の流れ、心象描写、ラスト共に満足です。)
いかがでしたでしょうか。
特に、女の子より男の子のほうが心の機微を感じとることが遅い傾向にありますので、一緒に保護者が読み進めて感想を伝え合うことに意味があるでしょう。
中学入試の国語:説明文
説明文の引用著書は以下になります。
- 「なぜ科学を学ぶのか」 池内了 →栄東中引用 他
- 「スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方」 山極寿一 →大阪・高槻中引用 他
- 「なぜ科学を学ぶのか」 池内了
- 科学・技術に立脚した文明社会を生きる私たちは、日頃から科学的な見方・考え方を鍛えておくことが大切です。
情報を鵜呑みにせず、個人の感情や経験を交えずに、様々な側面から物事を見る、科学的な考え方を身につけよう。
思ったよりも批判的なレビューが多くて困惑した本でしたが、全体ということではなく、一部を抜粋した際に納得できる部分が感じられる本のようです。
科学の方法論を教科書的に論ずるのではなく、「なぜ学ぶのか」を科学的に諭すように語られているところに好感が持てたのは2章めまででした。 たとえば、”万能の神”のごとく生活必需品のスマホ。 とはいえ災害時のスマホ難民に象徴されるとおり、逆にこれがないと何もできなくなる不都合と表裏一体です。 実際、台風15号などによるインフラの被害は、その表裏を現実に見せつけられました。 著者が述べておられるとおり、便利さや企業の戦略による消費誘導など、科学(技術)に無防備に依存するリスクを気づかせてくれます。 科学の二面性や、勉強の意味(直接役立つかではなく、いわば引出しをたくさん作っておくことのポテンシャル。 今、知識として備蓄しなくても思い出した時に知識や思考を引出しにしまえることの大切さ)は好感が持てました。 しかし、そういった若年層への動機づけに良さそうな展開…という予感は真逆となったのです。‥‥
- 「スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方」 山極寿一
- 講演会で、多くの高校生がスマホを手にしながら、「スマホを捨てたい」と言った。AI時代に生きる若者が、スマホで人とつながることに漠然とした不安を感じているのだ。
およそ200万年前の人類の歴史とゴリラ研究の見地から、生物としての人間らしさ、隠された野生の力を探る。ゴリラ研究者が語る、知的好奇心に満ちた「ヒトの未来」とは。
ゴリラの研究者が未知の時代の人間らしさを考える。
京大の総長であり、理学博士の著者の声。とても参考になります。
タイトルだけからは分からなかった山極先生の哲学に、
小冊子ながら読み返す価値を認めたものです。
家庭と共同体との、両立し得ない個体の連携を維持できたところに
人間と霊長類その他の生物との違いがあるとの解説に納得しました。
このご研究とスマホとを関係付けた著作に読み返して考えてみる価値があります。
スマホ大好きでも、人間嫌いの方でも、読む価値があると、お勧めできます。
まとめ
中学入試の国語で使われた本を紹介してきました。
試験に出題される本はその学校が「こういった考え方をしてほしい」というようなメッセージにも捉えられます。
是非、一度学校の求めるものを本を通して体験してみてください。
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