「中学受験」というとお金がないとできない、年収が1000万円くらいないとできないのでは?という声がよく聞こえてきます。
しかし、実際にはどうなのでしょうか。そのデータと実際にかかる費用や、関東の私立高校実質無償化の制度に関してもご紹介したいと思います。
中学受験をする親の年収は?
「中学受験」というと保護者がまずは気になるのは、
いくらくらい私立中学校に通うためにお金がかかるのだろう?
というところです。
2019年9月にインターエデュのアンケート「世帯年収はいくらですか?」の結果では、下記のような結果が出ています。
- 年収200万~400万 4.2%
- 年収400万~600万 5%
- 年収600万~800万 12.5%
- 年収800万~1000万 22.5%
- 年収1000万~1500万 30.6%
- 年収1500万~2000万 13%
- 年収2000万~4000万 8.1%
- 年収4000万以上 4%
このデータを見ていますと、年収1000万円以上が55.7%、1000万円以下が44.2%なので、ほぼ半数近くが1000万円以下なのです。
それにもかかわらず、様々なメディアや教育系の雑誌でもいまだに「親の世帯年収が1000万円以上ではないと中学受験が出来ない」と記載するのはいかがなものかとは思いますが。。
という訳で、「年収で出来ない」というよりは家計費の使い方を考えて受験することは出来るため、年収自体はハードルではないかもしれません。※その理由に、私立高校実質無償化制度などが関係はしてきますので、後述します。
中学受験にかかる費用は?
とはいえ、中学受験に係る費用はどのようなものがあるでしょうか?主に3つ挙げられます。
- 塾代
- 受験料
- 学費(中学入学後)
です。細かく見ていきましょう。
塾代
四谷大塚で4教科の授業と毎週のテストを受けた場合、
- 4年生 約40万円
- 5年生 約60万円
- 6年生 約100万円
になります。こちらは通常の授業料に加えて教材、テキスト費用などを含めたものになります。
その他に合宿や休みの講習、直前の講習費用、他の塾のテストだけ受けた場合などを入れたら+50万円くらいみたほうがよいでしょう。
その他の塾に関しては費用が異なりますので、塾へ確認してみてください!実際6年生になると後から追加でテストが増えたり、考えていなかった費用も増えたりする可能性があります。
受験料
次に、受験料になります。
- 受験料1校平均:約2万2750円 最高:3万円 最低:1万8000円
たいてい複数受験をされると思いますので、4~5校だとすると総額
- 10万~15万円
くらいかかります。
※2019中学入試案内基礎データから首都圏の私立中学のうち180校のデータをもとに四谷大塚が算出した結果を出しています。
受験料に関しては、出願のタイミングで払わなくても受験日ギリギリまで出願を受け付けている学校もありますので、初日の第1志望の学校があれば終わりのほうの学校は受けない、という選択肢も考えられます。
ただ、このやり方に関してはもし初日の第1志望が落ちてしまった場合に後から受ける学校の受験料支払いを忘れてしまう可能性が考えられますのであまりおすすめの方法ではありません。
ただ、絶対に行かない学校ですべり止めなのであればこういった方法もあるということを覚えておくとよいと思います。
学費
最後に学費です。
- 初年度納入金は、平均:約121万3481円 最高:157万2290円 最低:83万5328円
- 中学校3年間でかかる費用 平均:約280万1899円 最高:418万9500円 最低:176円8081円
入試を終えて進学先を決めたときに支払う「初年度納入金」に関しては金額も大きいですが、通常の金額は上記の通りです。
更に、「文部科学省 平成28年度 子どもの学習費調査」によると、年間の費用は約130万円程度。
上記の支出とは少しずれますが、毎月約11万円程度の支出が必要になると考えておかなければなりません。
私立高校の実質無償化は知っていますか?
現在、全国では、文科省による、国公私立を問わない高等学校等に通う所得等の要件を満たす世帯の生徒に対して、授業料に充てるための高等学校等就学支援金を給付しています。
更に、2020年4月に改訂されて、使える家庭が増えたのが、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県私立高校の実質無償化の関東都道府県の制度です。
この制度は、私立高等学校等に通う生徒の保護者の方の経済的負担を軽減するために、授業料の一部を助成する制度となります。
国の支援金の補填をする形で、上乗せでこの都道府県の授業料の一部を助成する制度が出来た、という嬉しい制度です!
都道府県によって世帯年収の対象は違うのですが、例えば神奈川県の場合、年収が700万円未満の場合は、この制度を使うと学費が実質無償になるとのこと。
詳しいところはまた別途まとめますが、そういう意味では、お金がないから受験が出来ないという諦め方をしなくてもよいのかもしれません!
まとめ
中学受験をする親の年収は1000万円以下でも増えている、という現実や、関東の私立高校実質無償化の状況などをご紹介してきました。
意外と想像と違ったのではないでしょうか。
実際中学に入学してしまえば、今度は塾に行かなくてもよく学校の勉強だけで大丈夫という学校もあります。
公立中学校で塾へ行く場合と私立中学校へ通って塾へ行かない場合、そこまで費用の差があるかというと中学生になったらそうでもないかもしれません。
お金で悩んでいるという方は是非、上記金額をもとにして事前にお金の準備もしくは先々まで試算してみることをオススメいたします。